インド洋から海自撤退〜賛成派の「言い分」。朝日・共産党

 テロ対策特別措置法がきょうで期限切れを迎える。6年間にわたってインド洋で給油活動を続けてきた海上自衛隊は、帰国の途につく。

 政府は給油活動の継続のため、新法案を国会に出したが、民主党など野党の反対姿勢は強く、成立の見通しは立たない。福田首相小沢民主党代表に直接会って協力を呼びかけているが、妥協は難しそうだ。

 政府・与党は「テロ防止のための国際社会の取り組みから日本が脱落していいのか」と言う。給油を受けてきた米、英、パキスタンなど11カ国とアフガニスタンの駐日大使はきのう、日本の国会議員に給油の重要性を訴えた。

◆終了はやむを得ない

 私たちは、日本も国際社会の一員として何らかの役割を果たすべきだと考えるし、燃料を受け取る国々が感謝してくれているのはうれしく思う。

 しかし、だからといって、十分な議論もなしに自衛隊の派遣を続けるわけにはいかない。まず、この間の実績を慎重に検証してみる必要がある。6年もたっているのだから、日本の貢献のあり方が今まで通りでいいのかどうかを議論し、国民の合意を作りなおすべきである。

 夏の参院選与野党が逆転したことで、政府は給油に絡むさまざまな情報を開示しだした。まだ十分とはいえないが、従来なら説明もそこそこに与党の賛成多数で延長を決めていたところだ。この新しい政治状況を生かしたい。

 日本が提供した油がイラク戦争に転用されたのではないか。防衛省はその事実を隠蔽(いん・ぺい)したのではないか。国会がこうした疑惑の解明や関係者の責任追及を優先するのは当然だ。

 この時期の防衛政策を担った守屋武昌前防衛次官の、業者との驚くべき癒着も判明している。法案の審議が進まないまま、撤収に至ったのはやむを得ない。

 日米関係への影響や国際社会の足並みへの乱れを懸念する声もある。だが、国内で正当性が揺らいでいる政策を、対外的な配慮だけを理由に続けるべきではない。それは日本に限らず、どの民主主義国でも同じことだろう。

◆アフガン後の迷走

 考えておかねばならないことがある。「テロとの戦い」とひとくちに言うけれど、01年の9・11同時多発テロ以降、米国を中心に始まった武力攻撃や国連の取り組みなどは実に多岐にわたる。

 その軌道が大きくはずれてしまったのは、米国によるイラク攻撃である。当時の小泉政権はそれを支持したうえ、野党や世論の反対を押し切って自衛隊を派遣した。安倍政権に続いて福田政権もこの誤りを総括しようとはしていない。そこに議論が混迷する最大の原因がある。

 日本は「テロとの戦い」のどの局面に、どのようにかかわるべきか、かかわるべきでなかったのか、その場合の原則は何か。そうした基本的な議論を、政府は避け続けてきた。

 同時テロの1カ月後、テロ首謀者のビンラディン容疑者らをかくまったアフガニスタンタリバーン政権を、米国などが攻撃した。国際社会のほとんどがこれを支持し、戦列に加わった。日本の給油支援はその一環だった。

 だからこそ私たちの社説も、憲法の枠内であることなどを条件に海上自衛隊の派遣を容認した。民主党は国会の事前承認が盛り込まれなかったことで法案に反対したが、派遣そのものには賛成した。

 私たちはその後、米国によるイラク攻撃の可能性が高まる中で、もし侵攻すればインド洋での給油活動は間接的にイラク攻撃を助けることになり、性格が変わってしまうと警告した。今回の一連の給油転用疑惑は、まさにその懸念が的中したことを示している。

 攻撃後のイラクは、宗派対立によるテロが激しくなり内戦寸前の状況に陥っている。イスラム世界には激しい反米感情が広がり、中東情勢は不安定化した。テロは英国、スペイン、インドネシアなどで新たな犠牲者を生んだ。

 イラクの状況が厳しいのは確かだ。だが、これを国際社会が広く支持する「テロとの戦い」と言えるのかどうか。

◆大きな構図で議論を

 日本の失敗は、米ブッシュ政権への配慮からイラク戦争に協力したことだ。国際社会の広い合意もなく、大義にも欠ける戦いにかかわるべきではなかった。

 イラク南部のサマワに派遣された陸上自衛隊は、なんとか無事に引き揚げたが、まだ航空自衛隊イラクで活動している。これを一日も早く撤収させなければならない。

 そのうえで、日本がかかわるべき「テロとの戦い」を整理することだ。そしてアフガンの復興やテロ防止に協力するなら、どんな役割がありうるのか、何が最も効果的なのかを考える。それなら国民全体の理解も得やすいはずだ。

 アフガン支援は、果たして給油活動しかないのだろうか。高村外相は給油支援を「ローリスク、ハイリターン」と表現した。危険は少ない一方で、みんなからは感謝され、日本は顔が立つ。そんな意味だろう。外交に利害得失の計算は欠かせないが、志が低すぎないか。

 6年もたつのにアフガンは安定せず、むしろ治安は悪化している。隣国パキスタンの状況も不安定だ。国際社会の取り組み自体が大きな曲がり角に来ていると言える。タリバーン穏健派との和平を考えるべきだという意見も出ている。

 国際社会としてどのような支援の枠組みをつくるか、議論しなおす必要があるかもしれない。そうした大きな構図の中で、日本が果たすべき役割を考えたい。

http://www.asahi.com/paper/editorial20071101.html#syasetu1

取り上げるまでも無いかもしれない。はじめにわが社の「予想」が的中した、と威張り、あとは野となれ山となれ、と言い放っただけの駄文だ。
だが、一つだけ気になるところがある。

 アフガン支援は、果たして給油活動しかないのだろうか。高村外相は給油支援を「ローリスク、ハイリターン」と表現した。危険は少ない一方で、みんなからは感謝され、日本は顔が立つ。そんな意味だろう。外交に利害得失の計算は欠かせないが、志が低すぎないか。

との行は、もしや民主党の主張するアフガンへの歩兵派兵への間接的な支持か。「ローリスク、ハイリターン」で何が悪いのか。そもそも、国際支援での、特に紛争地での日本のできる分野など限られている。我が国は実力で有事を解決できるだけの力を有していない。イラクでの人質事件然り、パキスタンで誘拐された大学生への対応然り、である。必然、民間人ではなく公人を派遣せざるをえなくなる。更に、戦地である以上、派遣可能な人員は、実質自衛隊のみとなる。しかも、海外派兵を視野に入れた編成が成されていない、現状の自衛隊を、である。
特に陸兵を送るなど無謀極まりない。海外での補給手段も満足に構築できない現状の陸自をどうして送る必要があろう。また、別段参加各国から参戦要請が来ているわけでもない。それよりも他国にはまねできない高度な給油技術をフルに使う、インド洋での給油活動のほうがよほど国際貢献となる。かの活動を「ローリスク、ハイリターン」と云うのは、まさにその通りだ。
また、法律が期限切れとなった今から議論に入るなど、遅きに失しすぎている。すぐに二の手三の手を打てるように、先に議論は深めておくべきだった。もちろん、最大の責任は国会、そして国民にあるのだから朝日新聞だけを責めても致し方ない。
しかしながら、この朝日新聞の提言には、まったくを以て賛同できない。もっとも、ビジョンが示されていないのだから「賛同」もなにもないのだが。



 日本共産党志位和夫委員長は一日、国会内で記者会見し、現行テロ特措法が二日午前零時に期限切れになり、インド洋で米軍艦船などに給油活動をしてきた海上自衛隊の艦隊が撤収することになったことについて、次のようにのべました。

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 一、憲法に違反して海外に派兵された自衛隊の部隊が、国民世論を受け、政府の方針に反して、撤収されるのは初めての歴史的出来事であり、国民の世論と運動による画期的成果です。今日は、国民の声を受けて、自衛隊が撤退する歴史的な日です。

 その上で、憲法をまもる三つの新たなたたかいをよびかけるものです。

アフガン戦争支援の再派兵を許さない
 一、第一は、アフガニスタン戦争を支援する自衛隊の再派兵を許さないことです。

 海上自衛隊による支援活動であれ、ISAF(国際治安支援部隊)への陸上自衛隊の参加であれ、いかなる形であれ、憲法をふみにじる海外派兵を許さないという立場を堅持したたたかいが大切です。

 アフガンの現状は、テロに報復戦争で対応する道は完全にゆきづまっていることを示しています。テロ根絶のうえでも、いま必要なのは、報復戦争支援を中止し、アフガニスタン国内で開始されている政府と反政府勢力との包括的な和平合意の努力を促進する国際環境をつくるための外交努力です。

イラクからの自衛隊の即時撤退を
 一、第二は、イラクからの自衛隊の撤退をはかることです。

 イラク特措法は、今年六月、自公によって二年間延長が強行されていますが、その後下された参院選の審判にてらすならば、イラクからの自衛隊撤退も国民の民意であることは明りょうであり、政府はこの民意にしたがうべきです。

 イラク戦争が、アメリカが国連安保理の承認もなしに開始した国連憲章違反の無法な戦争であるということは、国際社会の圧倒的多数の声です。侵略戦争がもたらしたイラク情勢の悪化という現実にてらしても、期限を決めた米軍の撤退と占領の終結こそが必要であり、米軍支援の自衛隊はすみやかに撤退させるべきです。

憲法改悪反対のたたかいの新たな発展を
 一、第三は、憲法改定反対のたたかいを大きく前進させることです。

 憲法を踏み破った海外派兵活動を撤収に追い込んだことは、憲法擁護のたたかいにとっても大きな成果です。

 参院選での国民の審判、憲法改定を正面から掲げた安倍内閣の崩壊は、改憲の動きにたいするブレーキとなりましたが、自民党が「新憲法草案」に示された改憲方針を公式に掲げ、その実現をめざしていることには変わりがありません。

 九条改憲のくわだては、アメリカの強い圧力のもとに、日米の支配勢力が共同で推進してきた大がかりな動きであるだけに、ここで手を緩めず、改憲反対の一点での国民的多数派をつくるための新たなたたかいの前進をはかることをよびかけるものです。

 わが党は、全国各地で大きく広がる「九条の会」をさらに発展させるために、その一翼をになって奮闘するなど、草の根からの運動の発展のために力をつくす決意です。

http://www.jcp.or.jp/akahata/aik07/2007-11-02/2007110201_01_0.html

何を勘違いしているのであろうか。先の参院選自民党以上の敗北を喫したと云っていい、共産党がどの面を下げてこのようなことが云えるのか。
何度も書いてきたよう、先の参院選で大勝した民主党は、アフガンへの陸兵派兵案を引っさげている。これを以てして、「憲法9条擁護」やら「派兵反対」やらが民意であるなどと、とてもではないが云えたものではない。
別段、共産党が政府・自民党に「勝利」したわけでもないのに、この声明。恥ずかしくないのか。共産党員や、管理人のような物好きでもなければ気にも留めないからと云って、云っていいことと、そうでないことがある。
朝日新聞の歌壇に、民主党の派兵案など聞いていない、と云ったものが掲載されていた。これだけを以てして、国民が民主の派兵案を知らずに投票したとは云い難いが、しかしながら報道などに接する限り、先の選挙は年金問題と閣僚の不祥事に関してではなかったのか。
とにもかくにも、民主党が「あの公約」を掲げて勝利したという事実があり、また「護憲」を掲げた社民・共産が敗北した以上、このような空言は云うべきではない。泡沫政党が「国民の声」を代弁するなど冗談にも程がある。




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鬱々日記〜特定アジア3面記事編



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