朝鮮総連本部差し押さえ判決に関して毎日新聞の「素晴らしき」見解〜社説と評論の連係プレー

さすがに朝日ですら苦言を(とてもやんわりと、だが)呈せざるを得なかった総連の資金返還問題。しかし毎日新聞は勇気ある援護を朝鮮総連に向けて送った。きっと朝鮮新報で讃えられるはずだ。ではまずは社説からお読みいただきたい

 整理回収機構在日本朝鮮人総連合会朝鮮総連)に約627億円の返済を求めた訴訟で、東京地裁が全額の支払いを命じる判決を言い渡した。

 回収機構は経営破たんした在日朝鮮人系信組の不良債権を引き継いだが、焦げ付きの大部分が朝鮮総連への貸付金だった事実が明確になったとも言える。判決には仮執行宣言が付いており、回収機構側が取り立てに必要な朝鮮総連の財産を競売にかけることができる。朝鮮総連の全面的な敗訴だ。控訴して仮執行の停止を求める公算が大きいが、朝鮮総連が実質的に中央本部の土地と建物を所有していると判断されれば、明け渡しを求められる可能性も出てきた。

 中央本部の不動産は、朝鮮総連代理人を務める元日本弁護士連合会会長が間に入って売却話が具体化し、元公安調査庁長官を代表取締役とする投資顧問会社に登記簿上の所有権が移転されていたが、元日弁連会長は判決直前、登記を売買前の状態に戻した。出資予定者から出資が得られなかったためだそうだが、東京地検が仮装取引による虚偽登記の疑いで強制捜査に乗り出したことへの対策とも指摘されている。

 売買は不可解なことだらけだが、この期に及んで謎はますます深まっている。朝鮮総連を調査対象とする公安調査庁の元トップが、在日朝鮮人の権利を守るために買収に応じたこと自体が唐突であり、「大義のため」という説明では不透明だ。元日弁連会長から依頼されたというが、法曹界の重鎮と呼ぶべき2人がなぜ、住専問題でトラブルを起こした不動産会社の元社長の仲介を信用して話を進めたのか、また、入金前に所有権を移転させたのはなぜか、疑問は尽きない。元長官は差し押さえの回避が目的と認めたが、仮装取引と疑われることを想定していなかった、とも考えにくい。

 2人は記者会見を繰り返してはいるものの、深奥部分を十分に説明したとは言い難い。多くの人々が納得できるまで、背後事情や「大義」の内容について真相を語ってほしい。2人が担ってきた公的な職責の重さや日朝関係を考慮すれば、私人間の取引では済まず、説明する義務があるだろう。

 現時点で確かなのは、朝鮮総連に巨額債務を返済する義務があることだ。問題のそもそもの発端は、朝銀東京などの信組が朝鮮総連の強い影響下で、乱脈融資をした末に経営を破たんさせたところにある。損失補てんと預金の保護のため1兆円を超す公的資金が投入された経緯も、忘れられない。朝鮮総連側は誠意を尽くし、債務の返済に努めるべきである。

 回収機構側も債権の引き継ぎには税金が使われている以上、回収に全力を挙げるのは当然だ。だが、朝鮮総連の中央本部は在日朝鮮人らのシンボル的な存在であり、日朝国交正常化後は公館として利用されるとの見方もあるようだ。債権回収に際しては方策を十分に検討し、将来にわたる日朝間の友好関係にも配慮する姿勢が、関係者には求められている。

毎日新聞 2007年6月19日 0時28分

http://www.mainichi-msn.co.jp/eye/shasetsu/news/20070619k0000m070156000c.html

注目すべきは最後の部分、

だが、朝鮮総連の中央本部は在日朝鮮人らのシンボル的な存在であり、日朝国交正常化後は公館として利用されるとの見方もあるようだ。債権回収に際しては方策を十分に検討し、将来にわたる日朝間の友好関係にも配慮する姿勢が、関係者には求められている。

である。要は、
「差し押さえなんて絶対にしてはならない」
と云いたいのである。総連関係者はこの社説に感極まって咽び泣いたに違いない。
「我々にも理解者はいる」
と。
もちろん、日朝国交正常化など日本と北朝鮮の両方の予定にないことであり、そのような心配は必要ないのである。しかも、朝鮮総連は工作期間であり、そのようなところを「公館」として使用するなどあってはならないことだ。常識で考えたらすぐにでも分かることだが、それを毎日新聞の論説員は分からないらしい。朝鮮総連側の「大使館的役割を負っている」という説明だけを鵜呑みにしているのであろう。「大使館」が拉致の実行に深く関わっていたり、その他対日工作の現地本部的役割を果たすなどどこまで我が国を愚弄すれば気が済むのか。
万が一、北朝鮮との国交が出来たとしよう。その場合、きちんとした大使館を用意すべきだ。汚い過去を持つ組織の建物をそのまま使うなどあってはならない。尤も、北朝鮮自体が汚いのであるから、五十歩百歩であるのだが。
日朝の友好などを夢想するぐらいならば、今目の前に存在する、拉致・核・ミサイル・工作などの各種問題を解決してからである。これだけの問題を前に「友好」などどの口が云えるのであろうか。

続いては、毎日新聞大分支局長の論評である。

 敗戦時の引き揚げの辛苦を私は知らない。しかし話を聞き本を読めば、想像くらいはできる。身近な体験者に竹田市の三代律子さんがいる。現北朝鮮寧辺から釜山港まで歩きづめの道中で直面した酷(むご)い親子別れを描いた「残された健君は?」は昨年の毎日はがき随筆大賞を受賞した。

 三代さんから、敗戦を境に朝鮮人の態度が一変したと聞いた。連日、祝賀の旗行列の一方で日本人宅への放火や略奪。11歳の少女には理不尽としか映らなかったそうだ。先々週に紹介した元読売新聞記者の故・本田靖春さんも京城(現ソウル)で敗戦。遺作の『我、拗(す)ね者として生涯を閉ず』で当時の父の日記を引用している。

 <半島人の喧騒(けんそう)甚だしく(略)婦女子三人を混(まじ)へ一行十三名日本刀三本を心の頼りに決行的に京城帰還を成す>(原文のまま)。12歳ながら早熟だった本田さんは、朝鮮人の暴動が、日本の植民地支配35年への憤怒の爆発だと程なく悟る。

 朝鮮総連中央本部売却問題の渦中の人、緒方重威(しげたけ)・元公安調査庁長官も、旧満州(現中国東北部)からの引き揚げ者だという。差し押さえを防ぐための売買交渉に応じた理由として自身の体験に触れ「在日朝鮮人の拠点を奪うようなことは、避けなければいけない」と記者会見で話した(15日・西日本新聞)。「(引き揚げ時に)祖国を強く感じたことを思い出した」(14日・毎日東京紙面)とも。

 緒方氏は73歳というから、先のお二人と同年代。「権力の空白の中で、支配体制が崩れたときの個人の弱さ」(本田氏前掲書)を知る人である。朝鮮総連北朝鮮と密接な組織ではあるが、生活相談や民族教育、祖国里帰りの橋渡しなど、日本社会から疎外された在日朝鮮人の人たちの生活に不可欠な存在になっている。「在日」の大半は市井の人々、北朝鮮の体制とは無縁である。総連を監視する職にありながらも緒方氏の心中には、日本が支配した民族への贖罪(しょくざい)の念が宿り続けてきたのではなかろうか。

 これは忖度(そんたく)に過ぎない。しかし人は理詰めだけで動くものではない。幼少・青春期の体験が人生に少なからぬ影響を与えることは、多くの伝記が示す。わびしいのは会見場の記者たちに、緒方氏の話を気に止めた様子が見られないことだ。記事は冷淡あるいは無視。戦争の記憶の風化、想像力の劣化を感じてしまうのである。<大分支局長・藤井和人>

毎日新聞 2007年6月19日

http://www.mainichi-msn.co.jp/chihou/oita/news/20070619ddlk44070672000c.html

要するに、
「昔、『蛮行』を働いたのだから黙って北朝鮮の云うように従え」
というわけである。
この御仁には
「借りたお金はちゃんと返す」
といった万国共通の価値観すらないらしい。昔の「蛮行」云々は本件とは一切関係がない。更に云えば、北朝鮮在日朝鮮人に帰る国がないわけではない。きちんと、朝鮮半島北部に「朝鮮民主主義人民共和国」なる「国家」が存在する。そもそも、朝鮮総連(そして民潭)の存在意義とは帰国支援である。もちろん、日本が強制連行してきたわけではないので、「さっさと帰れ」と云いたいのだが、それも許されない世の中が長く続いた。その間、朝鮮総連は、本国では稼ぎ辛い外貨を獲得するための出先機関となった。更に、その「立地条件」から日本や韓国に対する工作の拠点ともなった。
管理人からすれば、朝鮮人は戦後の混乱期、日本に対して思い思いの「仕返し」をしているのである。もちろん、合法的である併合に対して違法行為で返したわけだが。
それを以てして、日本としても不精不精ではあるが終わらせてやろう、というのが本来の戦後処理であるはずなのだが、現実としては嘘が蔓延ってしまっている。
その片棒を担ぎ、あるいはまんまと嵌められ、このような論評をしているわけである。
本来の仕事である帰国支援をしなくなった朝鮮総連に存在価値などない。藤井和人氏は本件だけでなく、朝鮮総連そのものを見誤っているのである。



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鬱々日記〜特定アジア3面記事編



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