朝日の投書はいつだって面白い〜同日の投書欄に「証拠はなくて当たり前」「証拠など探せばいくらでもある」

まず以下の投書を読んでいただきたい

10日　名古屋版

慰安婦問題の発言は軽挙だ

無職　渡辺康男（岐阜市69歳）

　安倍首相が靖国参拝を封印してきたのは、小泉政権であれほど傷ついた日中・日韓関係を考慮すれば、当然の選択だ。
　それが「慰安婦発言」でまた逆戻りとは……。本音だろうが、その軽挙を惜しむ。慰安婦の人権と拉致問題での人権は別か、と問われたら、返す言葉がない。「河野官房長官談話」以後、歴代首相が引き継いできた蓄積と国の信用をふいにするものだ。
　広義、狭義を問わず、軍がかかわったのが事実である以上、被占領下の人々に強制があったと考えるのが普通だし、命令や利権のため、手段を選ばない者が居たことも容易に想像できる。都合の悪いことに目をふさがなければ、「狭義」の証拠はいくらでも目にすることができる。
　首相は低迷する支持率のためか、就任当初とスタンスを変えつつあるようだが、自民党内右派を喜ばせても、国民の支持にはつながらないだろう。

まぁ、

広義、狭義を問わず、軍がかかわったのが事実である以上、被占領下の人々に強制があったと考えるのが普通だし、

などと渡辺康男氏の「普通」を普遍化されたって困るし意味が分からないのだが、この投書によれば

「狭義」の証拠はいくらでも目にすることができる。

だそうである。

では次のそれを

東京本社3月10日
　「慰安婦」証拠がないのが当然　無職　大村袈裟嘉（けさよし）　山梨市79歳
従軍慰安問題を巡る安倍首相の発言が、内外に波紋を広げている。狭義の強制性を問題にして証拠や証人が出てこないことを強調しているようだが、終戦時の旧日本軍の
厳しい証拠隠滅作戦に従事させられた私には、証拠がなくて当然と思えるのだ。
　私は16歳で海軍少年兵に志願し、18歳の夏に横須賀・田浦の航空隊高等科練習生で終戦を迎えた。実戦部隊ではなかった私たちの学校でも、秘密性の高い「軍機」や「軍極秘」がもちろん、秘密性が低い「秘」の修身の教科書さえ全部回収し、練兵場の隅に掘った穴で3昼夜燃やし続けた。
　こうした証拠隠滅の指示や緘口令は、旧軍のあらゆる部門で出たはずだ。戦地での性や人権が絡む慰安婦問題で、証拠や証人が出てこないのもやむを得まい。
　この問題では、日本政府を提訴したり米議会で証言したりして被害者の証言を重要視すべきで、安倍首相の姿勢では被害者はもちろん、各国からも理解されないであろう。
ひいては友好外交に水を差し、懸案の拉致問題にも悪影響を及ぼしかねない。日本の戦後処理はまだ終わっていない。この際、首相が歴史認識を改めることを切望する。