党首会談と大連立と辞意と続投と

新が週刊化しているゆえに致し方ないのだが、福田・小沢両氏の党首会談に於いて大連立が持ち上がったのがちょうど一週間前。この話が持ち上がった時点では、小沢氏はこの提案に拒否感を示していたはずなのであるが、一方で党に持ち帰り賛否を問うたとの報道もあった。このときすでに先の混乱が見えたような気もしたのだが、土曜日、大連立に対し小沢氏は賛同的で、成らなければ代表辞任もありうる、という話が流れ始めた。会談に於いて否定したという当初の報道を覆す話だったわけだが、驚くべきことに、翌日曜日、小沢氏は辞意を表明。民主党執行部は辞意撤回の説得に奔走することとなる。その後数日をあけて、結局小沢氏は辞意を撤回。代表続投が報じられた。
一連の騒ぎを時系列に沿って説明するとこうなるであろう。
この間、小沢氏は様々な「問題発言」を行った。
曰く、次の衆院選では民主党の勝利は大変厳しい。
曰く、民主党政権担当能力には疑問がある。
これらは偽らざる本音であろう。自民党に於いて政権政党のなんたるかに直に触れていた小沢氏の目に、民主党は斯様に映ったのだ。二大政党制を夢見、なにより非自民による自身の政権を夢見た小沢氏は平成のはじめに自民党を飛び出し、政界再編の中心人物となった。その後20世紀が終焉に向かうにつれ、乱立していた小政党は民主党にまとまる。自身はその流れに乗らず、自由党を率い一時は自民党とともに連立政権を組んだこともある。その連立は解消され、小沢氏は自由党を引き連れ民主党に合流。短き雌伏の後、満を持して党代表に就任。今夏の参院選で大勝利をおさめた。
二大政党制、そして自身の首相の座を掴みかけていたが、しかし、現状の民主党を誰よりも知る小沢氏は、民主党自民党を常に比較していたに違いない。そして得られた結論は、民主党政権担当能力は無し、だったのであろう。
この結論を受けて小沢氏の考えた次善の策が大連立であった。そう見るべきではないか。
これに対し、民主党執行部は反発。小沢氏は「信を得られなかった」ことを理由に代表を辞すと云ったが、現実が見られない執行部に嫌気がさしたのではないであろうか。もちろん、民主党側としても先の選挙で「政権交代」を訴え、これを報道機関は煽った事実から目は背けられなかったのであろう。「大連立」に国民の熱狂は醒めゆく。そう判断したことは批判できない。
ここまで考えたのが、今週半ば辺りまで出てきた情報による。
だが、それ以降、党首会談の「密室」に光を当てる報道が多数行われた。
小沢氏は、大連立を受け入れれば「インド洋給油」は諦めると福田首相が云ったといい、当の首相は「勘違い」と一蹴。
また、連立の仕掛け人の存在を小沢氏は「さる人」と仄めかし、朝日新聞自民党のドンたる森元首相と読売新聞主筆渡辺恒雄氏が「さる人」であると報じた。聞くところによると、大連立の構想は8月ごろからあり、中曽根元首相も賛同したとされている。
更に、党首会談に於いて「小沢副総理」をはじめとする「組閣」話も本格的に行われたという報道もある。

一つの見方として、福田首相が小沢氏を罠にはめたという「陰謀論」が展開できるが、しかし、密室の上での取り決めを信じた小沢氏を擁護はできない。更に云うならば、そのようなへまを小沢氏がするとも思えない。
やはり管理人は、先の展開ではないかと思う。臨時国会の最中、法律は一本も通っていない。インド洋給油にせよ、アフガン派兵にせよ、早急に日本の姿勢を明確にする必要がある。この最中、鳩山法相は「私の友人の友人はタリバン」と発言し、世界を引かせた。法相の発言の意図はなんら理解できない。この発言ののち、即辞めさせるべきであったのに、自民党はもとより、民主党からもそのような動きは目だって見えない。安倍政権下での一連の閣僚の「失言」とは一線を画した、日本への不信感を一挙に増大させる発言をした法相は未だにその座にある。テロリストと繋がりのある人物を国会の場に於いていいとすら管理人は思えないが、議員辞職勧告決議案すら国会には提出されていない。話は少しずれたが、ここまで空転する国会を打開するための唯一の策が「大連立」であった。
これを民主党執行部は否定し、そして否定したにも拘らず、小沢氏への代表留任を求めた。つまるところ、小沢氏に変わる人材がいないのである。現状、一枚岩とはとても云い難い民主党は小沢氏の豪腕をして党の形を保っているに過ぎない。執行部の動きはこれを認めたに等しい。菅氏や鳩山氏では纏めきれないと宣言したも同然なのである。
小沢氏の求心力は著しく低下し、同じく民主党への国民の期待も大きく揺らいだ。
だが、管理人は民主党の化けの皮がはがれてきただけだと考える。多数の無名の方々がブログなどを通して民主党政権担当能力の無さを指摘し続けてきた。管理人もその一翼を担ってきたつもりである。結局のところ、これが真の民主党の姿なのである。国民は、報道機関が作り上げた「政権交代可能な民主党」という虚像を見せられ続けていたに過ぎない。
管理人は二大政党制に賛成である。しかしながら現状の民主党にそのような能力は無く、間違いなく内憂を孕み外患を招くことになる。
二大政党制を実現するためには政権担当に耐えうる政党が必要である。それは決して民主党ではない。この一週間で明らかになったように見える事実は、ネットなどでは長らく云われ続けてきたことの追認でしかない。
新しく明らかになったことなど一つもないのである。



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鬱々日記〜特定アジア3面記事編



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