失政なき退陣〜安倍首相辞任

日、安倍首相が突然の辞任表明を行った。いつかはこの日が来るものとも思っていたが、しかし、このタイミングとは、との驚きは禁じえない。
先月末に内閣を改造し、挙党体制、これからの挽回をはかっていた安倍氏を退陣に追い込んだものはなにか。与謝野官房長官が漏らしていたよう、健康上の問題であろう。このタイミング、これ以外の説明はつかない。朝日新聞などは首相の無責任を社説で叩いていたが、仮にも全国紙、政治を取り扱って1世紀以上の歴史のある新聞ならば、政治家にとり健康問題がどれほど政治生命を危うくするか知らないはずはない。政治家にとって健康の悪化は命取りなのである。それゆえに誰もが自身の健康状態を偽り、さも健康であるように振舞うのである。永田町では「咳三回で肺炎」と云われるぐらい、健康問題は政治生命に直結するのだ。
それを表明したということは安倍首相の状況は存外に危ういのであろう。自身が政治生命を賭すち発言して幾日も経たない内の辞任である。安倍氏の政治生命はもはや尽きたと云ってもいいくらいだ。今日、安倍首相は入院したとの報道もある。
これらのことを朝日新聞論説委員は知らぬはずがないと管理人は愚考するのだが、まさか一介の地方在住の高校生よりも永田町のことを知らないはずはあるまい。知っていて敢えてこのことを書かず、最後まで安倍批判に持ち込んだのだ。物言えぬ屍に鞭打つこの醜き行為。社説を読めば分かるが、狙いは次期総裁の座にある。社説の最終部分で朝日新聞は小泉前首相、麻生太郎氏を名指しでそれぞれ批判した。あとは単純な引き算だ。次期総裁を福田康夫氏もしくは谷垣禎一氏に担わせたいという野望が透けて見える。
朝日新聞では社説から投書欄に至るまで「無責任」論が大手を振っているが、果たしてそうなのか。健康問題で辞任することが「無責任」であるならば、過労死するまで働けと云いたいのか?サービス残業などを批判する新聞とは思えない暴言である。もちろん、朝日新聞は数々の「失政」を理由に「無責任」論を挙げているのだが、これはでっち上げに過ぎない。
もちろん、管理人も小欄に於いて安倍氏を批判し、これ以上期待しないと書いた。安倍氏の閣僚問題の事後処理の拙さゆえの批判である。しかしながら、政策面で云えば安倍氏は我が国の歴史に残る法案の数々を成立させた。小泉氏の後始末をしっかりと行った宰相であった。年金問題も、さも安倍首相の失策のように語られたが、これは数十年の長きにわたる社会保険庁政権政党・政府の失政である。決して安倍首相、安倍内閣のみに責任が求められる問題ではない。この時点で発覚してしまったのはある意味で「不運」としか云い様がない。もし、これが55年体制崩壊後の非自民政権時やその後の村山内閣で発覚していれば、マスコミはまた違った反応をしたであろう。
閣僚問題にしても、須らく「運が悪かった」ことが先行する。安倍氏の不手際は批判されるべきだが、しかし、自身はクリーンなまま退陣となるのはさぞ悔しい思いであろう。

だが、安倍総裁のもと臨んだ参院選で大敗を喫したのもまた事実だ。安倍首相・総裁が退任したのち、次期総裁は党勢回復に努めることが主たる仕事となろう。
管理人は、安倍首相の退任時期をテロ特措法延長を通してからだと考えていた。どこぞの某新聞ほど、安倍首相と故岸信介元首相を重ね合わせる気は無いが、どうしても日米安保を延長し退陣した故岸元首相が頭に浮かんだ。安倍首相もこの考えは頭のどこかにあったに違いない。
それすら果たせない、この時期での辞任は、やはり健康問題としか云いようがない。
テロ特措法に関して、代替法案という策はとても評価されたものではないが、国政ではなく党利で同法延長反対を表明した小沢民主党に対抗するためにはこの手しかなかったとも云える。このような動きが、国政を、政局を左右したのかと思うと日本の将来が思い遣られる。これから日本はどうなるのであろうか。小沢民主党を参院で第一党にしてしまったつけは必ず来るであろう。

安倍首相の辞任に関して、拉致被害者家族会は苦しい胸中を明かし、これを喜んでいるのは北朝鮮だ、と語った。管理人も全く同意である。近く、安倍首相辞任はさも北朝鮮の手柄であり天命であるといった感じの「勝利宣言」が発せられるはずだ。自国はかくも無様で世界史上の汚点でしかない指導者を仰いで置きながらどの口が、といいたくなるような汚らしい文言が並ぶに違いない。次期総裁には、テロ特措法と合わせて、北朝鮮に対する姿勢も安倍政権時と変わらぬ、犯罪者と接する毅然とした態度を貫いて欲しい。

管理人は、次期総裁を、順当に行けば麻生太郎氏、大穴で小泉前総理と踏んでいる。立候補の動きを出している額賀氏では国民への知名度などといった点でどうしても両者に見劣りする。参院選に目を向ければありありと分かる「この状況」を額賀氏では乗り切れないであろう。
また、福田康夫谷垣禎一両氏は党内での指示という点で麻生氏に劣ると考える。特に福田康夫氏は前回の総裁選を途中で降りた。そのような人間に再び求心力が集まるのか、考えがたい。余談ではあるが、両氏とも管理人としては総裁になってほしくはない方である。

最後に、安倍氏が退陣したからと云って、閣僚の資金問題などに終わりはないであろう。安倍政権下でこれだけの問題が起こった中、総理が変われば、途端ほとぼりが冷めるというものではない。もし、冷めれば、それは背後に何かがあるとしかいえないがこのような陰謀論を云い出せばキリがない。だがしかし、万が一そうなれば管理人とすれば疑わざるを得ない。

何はともあれ、一年の任期であったが安倍首相には「お疲れ様」と云いたい。当初の期待からは大きく外れる呆気のない幕引きであったが、しかし氏は氏の仕事を果たした。そのことは歴史が知っている。何れは数々の大仕事がきちんと評価される日が来よう。胸を張って辞めていただきたい。




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