久間氏と本島氏から見る「反核」政治利用講座

間元防衛相が辞任に追い込まれたかの発言、通称「しょうがない*1」発言に関しまして面白いネタが上がってきたので少々纏めてみる。
なんと、久間氏が発言したものとさして変わらない内容の発言を過去にした人がいるのである。誰であろう本島等長崎市長である。以下は産経新聞の記者である阿比留瑠比氏のブログ【国を憂い、われとわが身を甘やかすの記】からの引用である。少々長いので本島等氏の発言とされる部分だけを引用したい。

 「米国やアジア太平洋諸国は原爆投下を『正しかった』『天罰だ』『救世主だった』と思っている。確かに、日本がアジア太平洋戦争などで行った数々の悪魔の所業を思うと、原爆投下は仕方なかった、やむを得なかったと、と言わざるを得ない。東京大空襲沖縄戦も同じだ」

 「1996年に国際司法裁判所核兵器の使用を『一般的には違法』と判断したが、それまでは規定はなかった。当時の原爆は今の核兵器と比べれば、おもちゃのようなもので、通常兵器と変わらない。原爆による死を残酷だというが、南京大虐殺三光作戦による死もすさまじい」
(中略)
「落とされるべきだった。(満州事変から終戦までの)15年間にわたるあまりに非人道的な行為の大きさを知るに従い、原爆が日本に対する報復としては仕方がなかったと考えるようになった」とも答えています。さらに、こんなことも言っています。

 「南京大虐殺三光作戦731部隊などは残虐の極致。日本人の非人間性、野蛮さが出ている」

http://abirur.iza.ne.jp/blog/entry/214815/

本島等氏といえば「昭和天皇戦争責任」発言で右翼人士に銃撃された人としてその名を全国に知られ、この間起こった伊藤一長前市長射殺事件の際も度々報道機関に意見を求められていた方である。サヨク・朝日・岩波系文化人などの間ではヒーローの様な方ではなかろうか。そういった方が、しかも長崎市長でありながらこのような発言を繰り返していたらしい。これに対して長崎市民は如何なる抗議行動をとったであろうか。久間氏と本島氏への対応の違いには疑問を呈せざるを得ない。
また、朝日など今回の久間氏辞任に関して先導役を務めた報道機関は本島氏を神格化しているように見えるが、その「神様」のこの発言にどのような論陣を張ったであろうか。
また、本島氏及び一部被爆者と核兵器の関係でこれまた興味深い記事がある。

 「核搭載の疑いがある」として本島等長崎市長らに反対されながら、長崎港に入港した米海軍フリゲート艦ロドニー・M・デイビス(4、100トン)のピーター・G・ロバーツ艦長(42)が16日朝、長崎市役所や県庁を表敬訪問した。
 本島市長は
「核を積んでいるかどうか聞き、被爆都市の市民感情を説明する」
という理由で訪問に応じ、午前10時からロ艦長に会ったが、平和公園の献花の同行は断った。
 また、正午前に艦長らが同市の平和公園で臨時に置いた台に献花したが、被爆者団体のメンバーがこの花輪を踏みつぶしてしまった。

 本島市長は面会の席で同艦が非核3原則を守っているかどうか再三にわたってただしたのに対し、ロ艦長は
「安保条約は守っており、核搭載については否定も肯定もしないのが米側の政策だ」
と繰り返した。
 さらにロ艦長は
「市民の核兵器に対する特別な感情はよく理解しているつもりだが、一層、理解を深めるため、平和公園での献花に市長の同行をお願いしたい」
と要請。
 しかし、本島市長は
「核疑惑がある限り、私が案内するのは差しひかえたい」
と答えた。
 艦長がさらに
真珠湾での米国の記念式典には日本人も来ることができる。その時の米国人の気持ちも考えて同行してほしい」
と重ねて要請したが、市長は
「感情が許さない」
と断り、30分足らずで面会を終えた。

 これに先立つ県庁への訪問に合わせ、同県労評の労組員ら約40人が玄関に座り込んだ。
 ロ艦長は午前9時半、「帰れ」の怒声が響くなか、柴田芳男副知事と面会。
 同副知事は
「抗議行動は、被爆地の市民感情の表れ。県は日米親善を損なわないよう入港には懸念を表明していた」
と述べ、会見は20分ほどで終わった。

 ロ艦長らはこのあと、爆心地近くにある同市松山町の平和公園を、献花のため訪れた。
 しかし、平和祈念像の前には長崎原爆被災者協議会の被爆者ら約50人が
「片手で核兵器を運びながら、もう一方の手で花輪をささげることは許されない」
と、日英両語で書いた横断幕などを持って座り込んだ。
このため、艦長は祈念像の前に直接献花するのをあきらめ、像の十数メートル手前に臨時に置いた台の上に花輪を置き、黙とうしてその場を去った。

 被爆者らはこの間、
「花輪を持って帰れ」
「人殺し」
と叫び続け、艦長らが去った後、山口仙二・被災協会長ら3人が、台を倒して花輪を踏みつけたため、あたりに白菊の花びらが散った。

 浦上警察署は
「公園管理者の長崎市から告訴があれば、器物き棄の疑いで調べることもある」
といい、踏みつぶした人らから事情を聴いている。

http://obiekt.seesaa.net/article/47381356.html

本島氏は市長在職中に米国海軍軍人の献花に対して否定的な姿勢をとったようだ。記事中に出てくるフリゲート艦にはスペック的に核搭載能力などないことが、これに続く記事中に書かれている。本島氏は「感情が許さない」と云ったようだが、もし、冷静になっていたらこのような姿勢はとらなかったかもしれない。事実として運用は不可能なのだから。
更に、長崎原爆被災者協議会はこの献花を踏み躙るという言語道断のことを行った。

これらの記事から判断するに、本島氏や長崎の被爆者協会、更には朝日など諸報道機関の核廃絶に対する姿勢は贋物に近いのではないか。特に久間氏の件は「政治利用」という言葉が相応しい。
後述するが、民主党の小沢代表は米国に対し核投下の謝罪を申し込むことを安倍氏との党首討論で主張したようだ。しかし、これを受け入れる土壌があるのか。もちろん、この10年間で培われたかもしれない。だがここで受け入れるようなら、また政治的なにおいを感じざるを得ない。すなわち、民主党のお膳立てだから受けよう、ということである。これもまた「政治利用」だ。
反核反戦の英雄」本島等氏と久間氏が同じ発言を、いや、久間氏以上の発言をしていた事実に管理人はただただ驚くばかりである。反日・反米の人士と政府閣僚の違いが様々な団体の対応の違いを生んだと見て間違いない。そして「反核」の政治利用の強さに改めて怪しさを感じるのである。


では今日もいきましょうか。

*1:「と割り切るほか無い」と続くアレ