現在も立て篭もっているのかは知らないが、少なくとも今日の午後七時現在では未解決であった東京都町田市に於けるコンビニ銃撃及びマンション立て篭もり事件。
長崎や米バージニア州での銃使用犯罪に触発されたのかと思ったが、犯人はまたしても暴力団構成員らしくそうではないらしい。警視庁はSATも出動させた上で該当のマンションを包囲、まだ説得を試みているようだ。
事件発生から何時間もたつが解決の気配はない。まぁ暴力団関係者が自分を人質に立てこもっているだけということもあり突入はどうしても回避したいシナリオなのであろう。犯人を殺害すれば報道機関から叩かれ、また警察関係者に死傷者を出すような人的被害も抑えたいであろう。気の触れた犯人の巻き添えに貴重な警察関係者を殺させるなど愚の骨頂であることは間違いない。
こういったことを対処するのは云うまでもなく警察関係者であり、自衛隊に出動の機会はない。これはある程度までのテロでも云えることであって、国内に於ける治安維持は警察の仕事である。だから各国には軍隊と警察の中間に位置するような武装警察というものを組織しているのである。日本で云えば、正に今出動しているSATなどである。
ここから話が大きく変わっていくのだが、今読んでいる【憲法*1】なる本はそのことを完全に無視している。詳しい書評はまた後日に回すのだが、作者は金子勝木村康子であり、この名を聞いただけでだいたいの想像はつくものである。内容の酷さも、冒頭、「第0章」から曝け出されている。なんと『もし大日本帝国憲法が、現在でも生きていたら』というありえない想定の下、明治憲法の不備を叩く、という藁人形叩きに終始しているのである。明治憲法は戦前という時代に作られたものであり、現在の常識が常識でない時代に作られたものだ。それを無理やり現在に「生」かせば、それは不備も出てこよう。もし、明治憲法が生きていても、時代の流れとともに諸権利が追加され、幾度か改正されていたであろう事は容易に想像がつく。何せ戦前の日本は世界有数の先進国であり立憲君主制の下の民主主義国であったのだから。
このような、ありえない想定下で自ら作り出した幻想を叩くことでしか読者をつかめないような本に如何ほどの価値もないと思うのだが、その後も期待通りトンデモな内容が続く。
曰く、憲法改正を国が急ぐのは、格差社会で追い詰められた民衆が反乱を起こす際の鎮圧に自衛隊を投じやすくするためなのだそうだ。ここで冒頭の立て篭もり事件の話とつながる。当たり前のことだが、そう易々と国軍が治安維持出動などはしない。そんなことをすれば、その国の治安維持機構は破綻しており、つまり警察が正常に機能していない危険な国とみなされ、その国の国際評価はがた落ちとなるのである。そうなれば日本向けの投資から何からが手を引かれることとなり経済損失以下、空前の大損害が生まれそれだけで日本は国として成り立たないこととなろう。国軍が民衆に発砲、となると天安門事件*2を思い出すのだが、支那が大好きであろう金子勝氏などにとってはあらゆる件で支那が基準なのだろう。もちろん、最悪の場合国軍出動となるのだが、その場合はもはや民衆のデモと云うレベルではなく、他国やその他武装組織かたの援助を受けた反乱軍というレベルである。金子勝氏などは、このまま格差社会が進行し、ついには民衆が某国や組織から、武器その他の援助を受けて立ち上がる姿が目に浮かぶようだが*3、その時点に於いては国軍が出るのは当たり前である。非難の対象にはなりえない。だが、国軍の性格と云うかその存在意義を根本から違えている、つまり民主主義の何たるかを一切弁えていないこの両者には反乱軍鎮圧のための国軍出動が途轍もなく恐ろしく、そして奇異であり、なんらかの違法行為や人倫に悖る行為に見えるようである。不勉強、の一言で片付ける以外なんら手の施しようのない主張でしかない。
戦後日本ではソ連支那、北鮮の共産党から様々な工作指令の下幾多のテロを繰り返してきた左翼の歴史が存在するがその中で一度たりとも自衛隊の出動はない。全て警察がその身を挺して対処してきたことである。赤軍など以上の反乱を企図しなければ国軍出動はありえない。
妄想に妄想を重ねて生まれたこの本を誰がいったい真に受けるのか。トンデモ本の類を管理人はまた一冊掴まされてしまったようだ。というか図書館の本であり、このようなものを市民や国民*4血税で買っているのだから、税金の無駄遣いとしか云い様がない。


ではきょうもいきましょうか

*1:[rakuten:book:11926876:detail]

*2:この事件の「主役」、人民解放軍は厳密に云えば支那共産党の私兵であり小欄の件とは少し事情を異にする

*3:管理人にはそこまでの「想像力」はなかった

*4:管理人の住む市も当然ながら国からの補助を受けている