しぶりの更新ということでネタが少々古いがご勘弁の程を。
管理人も春休みが終わり先日、始業式に顔を出してきたが、それまでは昼飯を食べながら高校野球を見、ワイドショーを見、という素晴らしい生活をしていた。そんな中で、埼玉県上田知事の「失言」問題がテレ朝の【ワイドスクランブル】で、東国原宮崎県知事や「悪い遺伝子」発言の知事(名前失念)とともに取り上げられていた。
「悪い遺伝子」発言は誰もが失言と分かる失言であるが、東国原知事のものは見方によれば黒とも白とも取れる灰色な発言であるし、上田知事の発言に関しては具体的な批判はなし、としか云えないものであった。これを一まとめに「知事の失言」とするのは一つ間違えれば印象操作になりかねない。
上田知事の発の要旨は「自衛官は国防の為に人殺しの練習をしている。頑張れと言いたい」というものである。上田知事は良かれと思っていったことであろう。だが、これは軍事への管理人以上の無知からきた「誤言」である。
軍隊が行うことは、法律上、というか国際常識の中では「人殺し」ではない。当然ながら、人殺しを目的に行っているわけではなく、主眼は戦闘能力の削除であり、「殺し」というのはそれによる二次災害的なものである。もちろん、殺すことが戦闘能力を削ぐ手段の一つではあるが。
もしこれが「人殺し」であればそれは当然犯罪である。だが軍隊は、兵士はその戦争という行為に於いて敵兵士を「殺す」権利を持つ。これはよく云う「殺人」ではない。あくまで、「敵」という抽象的な塊を「殺して」、いや、「壊して」いるのである。
これは新兵訓練の際引き金を躊躇なく引かせるための「屁理屈」でもあるらしいが、英語というのは便利なもので「殺す」、つまりKillと「殺人」、murderとは区別されているものなのだ。軍隊が行うのはKillでありmurderではない。
屁理屈にしか聞こえないだろうが、これが現代社会に於いてある種の戦争を合法たらしめる考え方の一つである。上田知事に関わらず全ての人が頭の片隅に入れておくべきことだろう。
これがないために上田知事は「失言」をし、テレ朝のキャスターだかは、「表現力が足りない」などという全く的をえない「批判」を行うわけである。もちろん、その「批判」の背後には自衛隊、そして上田知事への嫌悪*1があるのだろうが。


ではきょうもいきましょうか

*1:上田知事は昨年、県議会に於いて「従軍慰安婦というものは売春婦である」という趣旨の発言を行っている