朝鮮戦争講和に関する疑問

鮮半島の南北首脳会談も、何事も無く終了し、昨日、ノムヒョンはソウルへの帰途についた。
会談以前から話題になっており、管理人としても、よもやと思っていた懸案が「朝鮮戦争講和」「平和条約調印」である。よく知られているように、半島はあくまで「休戦」しているだけで、勝算があれば双方ともたやすい手続きのみで再び戦闘状態へと戻せるのだ。
この状態を改善するための講和なのだが、果たして早々容易くいくとは思えない。管理人も先日、軽い気持ちで書いたが、そこには大きな壁が立ちはだかる。
何かといえば、駐留国連軍・米軍である。朝鮮戦争が休戦状態であるために、国連軍と米軍は半島に張り付いているわけで、米軍はともかく、終戦となれば国連軍が駐留する大義名分は失われる。現事務総長は、ノムヒョン政権の重鎮であったパンギムン氏であるし、この場合撤退の公算は高い。米軍に関しては韓国政府との個別の協議となろうが、ノムヒョンの流れを受け継ぐような大統領が当選すれば、撤退を求める動きは強まるだろう。ノムヒョン政権は、米国の強硬な姿勢にも関わらず、さらに強気に出て、2011年以降、戦時の軍の指揮権の譲渡を取り付けた。さらに終戦となれば、撤退を求める可能性は非常に高い。
更に云えば、北朝鮮支那側が米軍の撤退を講和の条件としてくる可能性もある。
米国がこれを受け入れる見込みは低いであろう。米軍再編の中、韓国における米軍の比重は減じてはいるものの、完全撤退を行うとは考えがたい。橋頭堡をみすみすと手放すなどありえないからだ。また、もし仮に完全撤退となれば相対的に日本への米軍の依存度は高まるであろう。最先端技術を多数駆使する米軍では、グアムだけではまかないきれない。世界屈指の技術大国である日本は格好の駐留地だ。米空母などの満足のいく修繕は米国以外では佐世保のドックでしか出来ないという話もある。韓国から撤退すれば、再び戦争となれば上陸作戦から行わなければならないわけであるから、陸上兵力の駐屯数も増えるであろう。「講和」「平和条約」という輝かしい文字に躍らされ、大マスコミですらこの手の「負の面」は一切書かない。
朝鮮戦争の講和は、南北朝鮮には悪いが、日米にとっても万事良好とはいかず、また現実味も薄い。





では今日もいきましょうか。