対北朝鮮「外交」に先はあるのか？
日朝の作業部会とやらは、万人の想像に反せず今回も進展なしに終わった。親北系一部報道機関が「話し合いの雰囲気が生まれただけでも進展だ」といった虚しいプロパガンダに終始せざるを得ない状況が、現在の「日朝」関係を物語っている。
日本側は今回、親北系の報道機関や自称知識人らが強く云い続けてきた「過去の清算」なるものを前面に押し出し会談に臨んだ。その結果がこれでである。「過去の清算」で「話し合いの雰囲気」ならば、「拉致問題解決」は如何なる譲歩が必要なのか。
そもそも、当たり前のことであるが、北朝鮮との「交渉」で拉致問題は解決しない。自身が拉致という国家犯罪を犯しておきながら日本側の譲歩なしには交渉しないとふんぞり返っている国である。この、盗人猛々しき北朝鮮とどのような「交渉」が可能なのか。
しかも、北朝鮮は独裁国家。その体制維持の為に他国に扉は開かれない。このような状況でどうやって「解決」の状態に持ち込むのか。北朝鮮が「ああ」である限り、結局のところ核問題と同じく「自己申告」によるものに終始してしまうのがオチだ。そしてその「自己申告」は小泉政権下の一連の交渉の中で出尽くしている。実質的に北朝鮮が拉致問題で口を開けるようなネタは無いであろう。そうであるから、もはや現状の北朝鮮政府・金正日体制下での解決はない。日本側が人員を送り込み「捜査」・「捜索」が出来る状況下以外、解決のしようがあろうか。同じことは核問題にも云える。米国は如何に核問題を解決するつもりなのだろうか。北朝鮮が当然隠すであろう、核施設や、万が一存在しかねない現有の核兵器を如何にして白日の下に、国際社会に晒すのであろうか。
親北系な方々は、本気かどうか、交渉で、そして現在の流れで北朝鮮に関する問題は解決すると考えている。ありえるはずがない。それは北朝鮮にとっての「解決」であり、日本をはじめとする国際社会の解決ではないのだ。
さて、先日、先走った北朝鮮報道官が「米国が共和国(北朝鮮の自称)のテロ支援国家指定解除に動いた」と記者団に話し、米国側が否定するといった動きがあった。云うまでもなく、日本へのジャブである。米国は否定したが、しかし水面下で何が起こっているのか、特に外交の裏舞台を知ることが出来ず想像をするしかない日本国民に向けられたジャブである。これにのっかって、朝日などは即日社説を書き、日本の北朝鮮支援の輪への参加を促した。安部政権が閣僚問題で打撃を受けている中、其の隙を付いた形と云えよう。結局、北朝鮮側の「放言」であったわけだが、しかし、この情報に日本国民は多かれ少なかれ米国不審を抱いたはずだ。例えばここで追い討ちをかけるように、日本人の面を被った売国奴どもがあらぬ評論を書きたてて動揺を広げることが出来る。これが「工作」というものである。
更に作業部会の物別れを受けて、今日の朝日新聞も、前記の様に、さも進展があったかのように書き、支援で道が開けるかのように書いた。その裏づけは当然ながら何もない。
以前書いたように、北朝鮮が満足できる援助が可能な国は日本だけである。この特権を、外交交渉をするならば存分に生かすべきだ。例えば、強かなるロシアは、かえってくる見込みのない債務を以て「援助」と変えた。無から有を生み出した、典型的な「良策」と云えよう。日本もこのような強かさを持たばくては、交渉をする意味はない。無駄に国益を損ねるだけの結果に終わるであろう。
北朝鮮側の主張、というかプロパガンダを眺めれば容易にわかることであるが、「過去の清算」とやらで拉致問題が動くとは考え辛い。日本の、解決に向けた一挙手一投足を常に批判している。
根本的な解決は、北朝鮮の崩壊とともに始まる。
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鬱々日記〜特定アジア３面記事編
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