日も、いくつか纏めてあっちな方面に羽ばたいてしまっている方々の「悲痛」な叫びを紹介しようと思う。回りくどい云い方なので、「こいつは何を云っているんだ?」と思われる方もいると思うので説明すると、要は新聞社に届き掲載される投書の紹介である。
まずは「従軍」慰安婦に関するもの。

6月19日朝日新聞東京本社版「声」欄掲載
蛮行すり替え かえって恥だ
無職 奥田 彰(千葉県松戸市 76歳)
旧日本軍によって強制的に従軍慰安婦にされたことを文書は見つかっていない」という全面広告を、日本の国会議員有志や言論人らが米紙ワシントンポストに出したこ
とが、15日の夕刊で報じられていました。
これは、文書が無いということと、軍が関与していなかったということを故意に関連づけているのではないでしょうか。
同じ日の「新聞と戦争」シリーズでは、終戦時、軍はもちろん、内務省・外務省・大蔵省などで文書の焼却が指令された様子が生々しく書かれています。
新聞社も例外ではなく、文書や写真、保存していたフィルム、ガラス乾板にいたるまで何日もかけて処分したといいます。
こういったことが内地だけでなく、元占領地でもなされたと想像できます。
この広告は、戦争末期から戦後のしばらくの間、証拠隠滅が組織的に行われたことに目を伏せて、文書が無いのでその事実はないとすり替えて主張しているように思えます。
自国の蛮行を消そうとする行為は、国民の一人として恥ずかしい限りです。

つまるところ、この御仁の主張の生命線は
「いろんな資料やら機密文書やらが焼かれたのだから日本にとって不都合な『事実』は須らく史実であるに違いない」
という荒唐無稽なものであるのだが、76歳のこの方はそれに気付いているのだろうか。はっきり云って根拠のない話である。ちなみに、韓国側が持ち出した慰安婦「強制連行」の証拠にはしっかりと「時給幾許云々」と書かれており、誰が見ても娼婦の募集のそれであったのだが、そういった発見された資料は奥田彰氏にとっては些かの価値もないようである。恥ずかしいのは奥田彰氏の結論ありきの主張である。


続いては、憲法改正に関する小学生からの投稿。

6月17日 朝日神奈川版

 改憲巡る投票18歳未満にも
  小学生 尾崎 ○○(神奈川県座間市 12歳)
 
 憲法改正について投票ができる年齢が18歳以上と決まりましたが、私は18歳未満でも投票ができたらいいと思います。
投票ができずに憲法に従うのは嫌です。だから、私も投票がしたいです。
「第二次大戦は日本だけが全て悪いのではない」と言う意見があります。なんで戦争と言うおろかな行いを反省せず、開き直っているのでしょう。
こどものけんかは「暴力ではなく、言葉で解決しなさい」と言われます。
じゃあ、自衛隊もいらないじゃないですか。他国から攻められるのが心配なら、話し合えばいいじゃないですか。
安倍首相のいう「美しい国」という言葉には、かつての「天皇は神。お国のために・・・」と似たひびきを感じます。
そんな政府は無理やり変えてしまいそうです。はっきり言って信用できません。
もし、戦争になったら叩くのは若い人だから、その人たちの意見をもっともっと聞くべきです。
私はは早くこの不安がなくなってほしいです。

『安倍首相のいう「美しい国」という言葉には、かつての「天皇は神。お国のために・・・」と似たひびきを感じます。』
ってお嬢さんは何歳なんだ?と聞きたくなるのは管理人だけではないはずだ。これ、絶対に大人が書かせている。こんなのを書かせる親とはどういったものなのか。子供をだしに政治活動を行っているのだ。情けなくないのか。
万が一にも、この子供が本当に書いていたとして、このようなお花畑名脳みそを有する子供に投票権など与えられるはずがない。18歳で十分である。


次の作品は、この間共産党が騒いでいた自衛隊情報保全隊に関する投稿。

朝日新聞声欄in広島
「戦慄が走った 自衛隊の監視」 無職 河野 富士夫(宮崎市 66歳)
 陸上自衛隊が、イラク自衛隊派遣に反対する市民運動について情報を収集し、国民を監視していたことが明らかになった。
 恐ろしいことだ。自衛隊イラク派遣について批判的意見を述べたり、街頭デモに参加したりすると、「反自衛隊」というレッテルを貼られるのだ。イラク派遣に賛成しないと「反自衛隊」なのだろうか。
 自衛隊の行動や判断については、文民統制の原則がある。自衛隊が独自に情報を収集し、「反自衛隊」などと勝手に決めつけることは出来ないはずだ。
 イラク問題だけでなく、医療費負担増反対、年期制度改悪反対、消費税増税反対の街頭宣伝や署名活動も情報収集されていた。
 ところで、私のこの意見も情報収集の対象となるのだろうか。自衛隊イラク派遣に反対することが「反自衛隊」とみなされる。思っただけでも背中に戦慄が走る。
 一体何のためにこんなことをするのだろうか。あらかじめリストを作っておいて、有事の際はそれを利用するためだろうか。戦前・戦中、憲兵隊は兵隊だけでなく庶民をも統制下においていた。
 あんな時代は二度とイヤだと思う。

文民統制憲兵・レッテル云々に関するそれは以前書いたとおりであり、須らく河野富士夫氏の誤解である。朝日にしか耳を傾けないようになるとこのような人間が出来るといういいお手本の様な方だ。
この投稿に関しても思うのは一つ。
『戦前・戦中、憲兵隊は兵隊だけでなく庶民をも統制下においていた。 あんな時代は二度とイヤだと思う。』
貴方の年齢だと、終戦時4歳なのだが、そんなに明確に憶えていらっしゃるのか。管理人の4歳の記憶など無きに等しいのだが、管理人がよほど莫迦なのであろうか。
先ほどの小学生の投稿にも共通しているが、「戦争経験者」と「子供」はいい「反戦運動*1の材料なのである。
しかし、ここまで分かりやすくてもダメだろう。


最後には超弩級のものをもってきた。反日のフルコースを、南の島・沖縄より取り寄せたのでぜひ堪能頂きたい。

6月16日琉球新報「声」
憲法改正へ軍靴の響き
那覇市 下地 敏雄(畜産会社顧問、67歳)
 幻聴か、幻覚か、かすかに軍靴の響きが聞こえ、近代装備で武装した旧日本軍ににた大勢の兵士らが、平和憲法命名されたゲートの前で、影絵のように勢ぞろいしている。彼らは何かを待っているようだ。六十年の眠りから覚めて、軍事行動の機会をうかがっているのだろうか。その平和憲法という名のゲートを取り付けた米国が、今度は逆にゲートを開けと、日本を脅している。
 その狙いは、ゲートを撤廃(改憲)して、米国の先兵となって、諸外国と交戦するためだ。つまり、集団的自衛権を行使して、米国に歯向かう敵は、日本が撃退せよ、との趣旨だ。米国を狙った北朝鮮、中国のミサイルをMDを駆使して、迎撃するのである。
 すると、国民主権基本的人権の尊重、平和主義はすべてほごにされ、帝国主義国家に逆戻りだ。シビリアン・コントロールは崩れ、A級戦犯軍人が息を吹き返し、米国の番犬 として、国民を虐げ、近隣諸国に脅威を与える。それが、戦後生まれ、安部総理の改憲の目的である。

手元に辞書が無いのがこれほどまで悲惨なものか、というのを良く思い知らせてくれる作品である。「グンコクシュギ」ととりあえず唱えておけばどうにでもなる、という浅はかな考えが根底にあるのは云うまでもない。はっきり云って、意味不明・支離滅裂で、管理人としてもどこから突っ込めばいいのか分からない。
メンドくさいので、全て間違っている。で済ましてはいけないであろうか。管理人としてはこの一言でかまわないと思うのだが。下地敏雄氏が自覚しているように、幻聴であり幻覚である。こんなところで云うのは大変失礼なのだが、通院を強くオススメする。

追記

※この部分は平成19年6月24日に書き加えたものです。
今更思い出したのだが、下地敏雄氏が云う「帝国主義」云々は北朝鮮が好んで使うフレーズである。古くはソ連やそれに連なる東側陣営が西側陣営を攻撃する際にお決まりの様に使われた言葉だ。そもそも、「帝国主義」自体レーニンが考え出した根拠なきレッテルであり、このような言葉が教科書で使用されていること自体管理人にとっては看過できない問題ではあるのだが。しかし、下地敏雄氏のような人間が使うには丁度いい言葉なのかもしれない。その言葉自体にたいした意味はなく、空疎な中傷のみに効果を発揮する。このような文章、そしてハリケーン・カトリーナを米国に対する神の鉄槌と表現した御仁に相応しい単語である。


では今日もいきましょうか

*1:降伏主義・売国主義の隠れ蓑