福島会津若松の一件を見るにつけてもテレビは救えない

島の会津若松であったか、高校2年の男子生徒の手による母親殺しが行われたことが昨日報じられた。犯人である、その男子生徒は「世の中からテロや戦争がなくなればいい。殺すなら誰でもよかった」*1と意味不明なことを云っており、また精神疾患の気があったらしく、今月の初めから通院していたらしい。
これから判断が可能なのは、明らかに「その気」*2の持ち主であることである。それをテレビのコメンテーターなどが、「○○の視点!」等という気取った小見出しをつけて能書きを垂れているのは非常に見苦しい。TBSの正午のワイドショーなどでは、初めて見た女性コメンテーター*3(犯罪心理学に関して造詣が深いらしい)が、
「もしかしたら、この犯人は戦争反対を伝えたかったのかもしれない」
と理解を示していた。もちろん、犯人の発言をそのまま取ればそうなのであるが、この発言に対して、宮崎哲弥安東アナ*4「そうですね。逆説的に」などと相槌を打ち、それにまた
「テロとか戦争って大事な人を守るために、といった側面があるじゃないですか。だから、逆にそういった人を殺すことで逆説的に反戦を訴えたかったのでは」*5
と受けていた。
管理人からすれば、「お前、この犯人の考えが分かるって、同じ思考の持ち主か!?」などと恐れをなしてしまった。管理人には、もちろんこの犯人の思考など分かるはずもなく、このような高尚な解釈のつく逆説的なメッセージなども受け取れなかった。だが、こうやってわざわざ受け止めてくれる人間がいるのであれば、犯人も大切な母親を殺した意義があったのかもしれない。

そういえば、香山リカ批判の一環で、精神科医などは診察を受けに来た患者以外に対してそういった見地から軽々しく発言をしてはいけない(きっとプライバシーとか人の内面に関わる問題であるからだろう)という趣旨の意見を読んだことがあるが、もしこれが正しい批判なのだとしたら、こういった番組も問題があるのでは、と思う。精神病などは、熱が出るとか血液検査をすれば分かるとか、そういった簡単に判断のつくものではない。それを、面と向かい診察をしたこともなく勝手に能書きを垂れるのは偏見の助長に繋がるような気がする。

尤も、このような犯罪を起こし、また彼の様な発言をする以上、一般人の思考回路とは何か違うものをもっていることはほぼ間違いないであろう。
そういった人間を「キチガ○」というのであるが、言葉狩りが進みに進んだ昨今、ああいった専門家の見地からの解釈を賜る以外に番組が成立しないのかもしれない。「ああいったものはキ○ガイでしょうよ」と大胆に発言してくれるようなコメンテーターはいないのかと切なくなってくる。きっと、生放送ならばその後に「放送事故」とかになるんだろうが。

そんでもってもしかしまくったら、これが新しい「反戦」の形になるかもしれない。国民投票法が成立しちゃったし、護憲派もこれくらいインパクトのあることをしなきゃならないのでは?

と、さすがに「これ」はないだろうが、きっと犯人に同情的な論評はでてくるyと思われる。早速【ピンポン!】の件の女性コメンテーターも、ネットで幸田ショウセイさんの首切り画像が流れた、云々とやっていたし。きっと、しまいにはブッシュや小泉前総理や安倍総理が悪者になるのではないかな。
余談だが、ネットのそういったグロ画像等が叩かれていたが、個人的には【はだしのゲン】なんかもそれに近いような気がする。気の小さい管理人など、小学生の頃に読みかけて嫌になったまま現在でも読む気にはならない。きっと一生読まないであろう。まぁ、そういった「情」に訴える反戦が一番危険なのは散々云われているのでなくすべきだと思うが。

では今日もいきましょうか

*1:5月16日朝日新聞朝刊1面

*2:要はキチ○イ

*3:家田荘子※コメント欄のご指摘により判明

*4:管理人の事実誤認。コメント欄のご指摘により判明

*5:これは発言の要旨であり、当のコメンテーターの発言を文字起こししたわけではない