林よしのり氏の著書、【新・ゴーマニズム宣言11〜テロリアンナイト*1】が本屋の店頭にあったので軽く立ち読みをしてみた。
正直な話、あまり小林氏の著書は読まないのでこの場でどうこう言えるような立場ではないかもしれないが、ぱらぱらと読んだ中で気になる部分があったので少し取り上げたい。

小林氏は、某日の産経新聞社説に於ける森本敏氏の引用の捏造を指摘し批判する際、
「そもそも歴史の教訓をというが、その考え方が進歩主義そのものである」
と普段どおりの演出方法で書いていた。
しかし、これは、現在の常識や新たに判明した事実に基づく不当な歴史の断罪と、純粋に歴史から学ぼうとする行為を一緒くたにしてしまっているとしか思えない。おそらく、保守を自認する産経を叩くには左翼のレッテルを貼ることが一番効果的であるという打算があったのだと思われる。
昨日、核攻撃への防御を論じる際に紹介した兵頭二十八氏は著書内に於いて長崎と広島の核爆弾による攻撃の被害の状況を比較し、また実際に爆心地近くにいながら地下室にいたためその後数十年健康に生き延びた実例を紹介し防空壕の設置を説いている。
これもまた「歴史の教訓」である。
これも進歩主義なのか?
そもそもマルクス史観による進歩主義とは、社会主義共産主義を肯定するためのはじめから結論の出た史観を作り上げるための考え方である。人類は、資本主義を倒し社会主義共産主義へと「進歩する」という考え方なのである。決して過去の歴史から学ぶことを「進歩主義」とは云わない。
小林よしのり氏はこの点に於いて誤っていると云わざるを得ない。

これは管理人の個人的な感想であるが、氏の著書は煽動書の類であると感ずる。氏は漫画の演出技法と云うあの似顔絵がそう感ずる最たる要因である。氏は自身*2や味方はかっこよく書くが、批判対象はとにかくとにかく醜く書こうとする。これは支那共産党北朝鮮、いや全ての国が行うプロパガンダと同一である。支那北朝鮮反日映画に於いて日本人が醜く描かれるのと一つも違わない。

愛読者がたくさんいる*3のは承知であるが、それでも眉に唾をつけて読む本ではないだろうか。

こんなことを書けば、「わしは道化師だ。そんなに肩を張って読むようなものを書いているつもりはない」などと論点をずらされそうだが。



ではきょうもいきましょうか

*1:

*2:氏の似顔絵が「似ていない」と云いたくなる人は管理人だけではあるまい

*3:そういえば昔、「わしの漫画には右翼やヤクザの読者もいる」などと脅しめいたことを書いていた