語られなかった皇族たちの真実 若き末裔が初めて明かす「皇室が2000年続いた理由」


天皇継承問題の答えがこれだと思う。この本に全てが書かれている。俺はそう思う

もともと俺は女系天皇反対派であったがこれを読んでさらに理論武装が出来たと思う

そもそもが、あの小泉首相の(私設?)諮問機関がいけ好かないのだ。天皇家の問題なのに「皇室の意見は聞かない」と発言(失言)した座長。あの人は専門家でもなんでもないのにたいした自信である。だからこそあんな失言が出来たのであろう

本書の内容は、過去の皇位継承の危機に際して天皇家はいかに乗り越えてきたかの実例を挙げて現在の皇室問題に言及している。これが第一章。そしてまた、第二章では「戦争と皇族」と題して大東亜戦争と皇族の係わり合いを述べている。これらもまた俺にとっては新鮮であった。第三章では「終戦と皇族」として、終戦工作にいかに皇族が関わっていたかが述べられる。俺の知らない歴史ばかりが語られていく。学校の歴史ってなんなんだろうなって改めて思い知らされた。ま、日教組の目的は皇室断絶なのだから語るはずも無いであろうが。第四章では「占領下の皇族」とし、東久邇宮稔彦王の内閣における戦後処理や十一宮の皇籍離脱について述べられている。後者は、筆者がもと皇族の末裔でこのときに離脱した竹田宮の末裔であるので格別、感傷的に書いているのであろうが、それを除いてもなかなか厳しいものであったと俺は思う。最後に終章「雲の上、雲の下」では竹田家やそのた十宮のその後を書いており、最後に「皇室が2000年続いた理由」としそれを書ききっている

本書の内容を詳しく書くつもりは無いが、やはりこれを読んでいると「男系でこそ天皇家である」という筆者の主張は大変理解できる。なにより過去も何度か男系断絶の危機があったが天皇家や公家たちは知恵を絞り危機を乗り切ってきた。その「伝統」を今つぶすのはいかがなものか。これが筆者のもっとも言いたかったことに違いない。そして俺もそれには同調する。どこかの掲示板に書いたことだが、「よき伝統を持ちながらそれを蔑ろにする国家は尊敬も受けない」というのが俺のスタンスであり、天皇家は誇るべき「伝統」であると思う。自慢にしかならないが、天皇家は世界の歴代王朝でもっとも続いているものであり日本の有史は即ち朝廷・天皇家であった

歴史上初めて幕府を開き、勝手に官位をもらった弟・源義経を殺した将軍・源頼朝
後醍醐天皇と激しく対立し、北朝を打ち立てた足利尊氏
日本史史上初にして唯一の「日本国王」となった足利義満
日本の歴史でただ一人「魔王」の称号を異名を持ち、今なお尊敬と畏怖の念を集める織田信長
日本と言う日本を破壊しつくした、連合国軍総司令部・総司令官ダグラス・マッカーサー

これらの誰もが天皇家は潰せなかった。これをもって由緒ある「伝統」と言えないはずが無い。今を生きる日本人はこうも易々と天皇家を廃止してかまわないのだろうか。否であろう
ではどうするか。答えは本書中にある
宮内省加藤次官(当時)は直三宮以外の、即ち十一宮の皇籍離脱の際鈴木貫太郎元首相(当)の質問に皇答えている
鈴木貫太郎元首相:
「今日、皇族の方々が臣籍に下られることがやむを得ないことはわかったが、しかし皇統が絶えることになったならどうであろうか」
加藤次官:
「かつて皇族の中に社会的に尊敬させる人がおり、それを国民が認めるならその人が皇位についてはどうでしょうか。しかし、適任の方がおられなけでば、それは天が皇室を不要と判断されるのでしょう」
そして臣籍に降った皇族について
加藤次官:
「万が一にも皇位を継ぐべきときがくるのかもしれないとの御自覚の下で身をお慎みになっていただきたい」




以上、本書の紹介を兼ねて一部自分の皇室論を展開させていただいた。ここまで述べたとおり本書が皇室問題を語る上で外せない本であろうと言うことは疑いの余地は無い


また、女系賛成者に「男系のみは男女差別だ」との意見があるが、それとは別次元の問題であるのは言うまでも無い