gunnsenngoku2007-02-24

歌取り、と云うものが俳句の技法にあることは云うまでもないことであろう。だが、投書にもそのようなものがあるとは知らなかった。
当の投書は先日23日の朝日新聞に掲載されていた。
(愛媛県であろう)松山市に住む、笹原勇なる68歳の老人は、日本が将来軍事大国化する悪夢を見たらしい。
どこかで聞いたことある展開だな、と思えば、朝日新聞のコラム「風考計」の最後と同じではないか。
そこでも、風考計を担当する朝日新聞論説委員主幹にして次期社長と名高い若宮氏が、自身の悪夢を元に日本社会への「警告」を飛ばしていた。
その「警告」が愚にもつかないものであることは云うまでもないし、韓国紙にいいように引用されていたことは小欄でも取り上げたが、今回の本歌取りは劣化極まりないものであった。
曰く、民主党右派を自民党が抱え込み国民投票法が成立、タウンミーティングに代表されるプロパガンダによって政府が国民を煽動し9条は改正され自衛隊が海外活動をはじめる。だが、戦死を嫌う若者が自衛隊志願を嫌がり徴兵制が敷かれ防衛大臣には制服組が就任。軍事費が増大し世界有数の軍事大国となる。アジア諸国からは敬遠され自衛隊の発言力が増し国民とマスコミは見守るばかり、だったと云う。

まさに、朝日が望むような夢である。若宮氏もこのような夢を見たのではないだろうか。
この夢が如何に現実味のないものであるかは小欄を読んでいただければわかるであろう。要点を纏めれば、

  1. 徴兵制自体珍しいものではないが、現実的には廃止の方向に向かいつつある
  2. また、憲法改正を望むのだからその程度の覚悟は有しているし、現に自衛官になるには国に命を捧げると云う宣誓をする
  3. そもそも、どこの国と戦争するのかが語られていない
  4. 政府なんかよりもマスコミのプロパガンダ(特亜をアジア諸国と云って憚らないのはその典型であろう)のほうがよほど酷い
  5. 国民投票法がないこと自体憲法違反
  6. アジア諸国中共の軍事大国化、つまりは一人勝ちを警戒しており日本の台頭はむしろ好意的に受け入れられる
  7. 今まで、防衛大臣(防衛庁長官)が閣僚の登竜門であったことが異常
  8. パウエル元国務長官は陸軍のエリートであった
  9. 現在の自衛隊の発言力のなさは危惧してしかるべし

と、なろう。
俺もなにか夢を見たら朝日に投書してみようかと思う。
朝日新聞新華社通信の子会社になるような夢を見たら


ではいきましょうか